目次
性交痛をやわらげる4つの方法
30代女性の63.5%もの方が「セックス時に痛みを感じる」と答えているのをご存知でしょうか。しかも、その中の約90%の方が「痛みを我慢してセックスを続けている」ことがわかっています。
(※)引用:【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020 調査結果報告書
痛みを感じるセックスは、ストレスを強く受けてしまうおそれがあるため性交痛をやわらげる工夫が必要です。性交痛をやわらげる4つの方法は、以下のとおりです。
普段から膣のケアをする
水分を多めに摂る
パートナーと前戯の工夫をする
潤滑剤ゼリーを使う
それぞれ解説します。
普段から膣のケアをする
性交痛を予防したい方は、週3回ほどの膣ケアがおすすめです。出産のときに広がる「会陰部」をマッサージすると、挿入したときの痛みを抑えられるからです。
以下の手順に沿って、会陰のマッサージをしてみましょう。
【会陰のマッサージ手順】
1.膣の入口周辺と指にオイルを塗る
2.入口部分に指を3cmほど入れる
3.縁に沿って下方向にマッサージをする
4.膣入口の下部分もUの字を描くようにマッサージをする
マッサージは、立つ姿勢になり台に片足を乗せた状態でおこないます。体がリラックスしているのがベストなため、入浴後がおすすめです。
オイルは、スイートアーモンドオイルや薬用のオリーブオイルを使いましょう。肌が荒れないように、使う前にはパッチテストが必要です。爪は短く切り、マッサージ前には手を洗うことも忘れずにおこなってください。
性交痛が生じる場所は大きく2つに分かれており、痛みを感じる場所は人によってさまざまです。以下の記事では、セックスのときに痛みが出る場所やタイミングを解説しているので、あわせて読んでみてください。
水分を多めに摂る
性交痛を緩和するためには、膣内や膣周辺の潤いを保てるよう、水分を多めに摂るようにしましょう。膣内がうるおうメカニズムは、以下のとおりです。
【膣内がうるおうメカニズム】
1.スキンシップによって幸せホルモン「オキシトシン」が分泌される
2.血流がよくなり、膣や周辺の毛細血管が広がる
3.広がった血管のすき間から潤滑液が流れだす
膣のうるおいには、血流が大きく関わっていることがわかります。血液がドロドロな状態では潤滑液の分泌も上手くいかないため、こまめに水分補給をして体内がうるおっている状態を保ちましょう。
パートナーと前戯の工夫をする
性交痛をやわらげるには、パートナーとの前戯の工夫も大切です。前戯が不十分だと、幸せホルモンである「オキシトシン」の分泌量が減少し、膣内の潤滑液が不足するからです。
幸せホルモンの分泌を促すためにも、日頃からパートナーとのハグやスキンシップの回数を増やしてみましょう。パートナーに触れて欲しい箇所を30分ほどマッサージすることでも、オキシトシンの分泌効果があるといわれています。
また、ゆっくりと触れることでも幸せホルモンが分泌されるため、前戯は時間をかけておこなうのがおすすめです。
膣内が乾燥する原因については、こちらの記事も参考にしてください。
膣内の乾燥に関して詳しく解説
潤滑剤ゼリーを使う
性交痛を手軽に改善したい方には「潤滑剤ゼリー」がおすすめです。潤滑剤ゼリーは、膣内のうるおい不足を補えるため、摩擦による痛みをラクに軽減できます。
潤滑剤ゼリーとローションは別物なので注意しましょう。ローションは強い摩擦を考慮して作られているため、粘度が高く、膣内に入るとなかなか洗い流せません。膣内の環境を守っている常在菌を壊しかねないため、潤滑剤ゼリーの代用としては使用しないように注意してください。
性交痛をやわらげる潤滑剤ゼリーの種類
潤滑剤ゼリーは大きく分けて3種類あります。
・ウォーターベース
・シリコンベース
・オイルベース
それぞれの特徴を見てみましょう。
ウォーターベース
ウォーターベースの潤滑剤ゼリーは、水溶性のためさらっとした付け心地が特徴です。簡単に洗い流したり拭き取ったりできる手軽さも、魅力のひとつといえるでしょう。
安心して使うためにも、アレルギーテスト済みのものを使えると安心です。また、ウォータベースのゼリーは乾燥しやすいため、長時間使いたい方はコラーゲンやヒアルロン酸配合のものを優先して選んでみてください。
シリコンベース
シリコンベースは、ウォーターベースに比べて乾燥しづらいのが特徴の潤滑剤ゼリーです。粘度も高いため、長い時間をかけてセックスを楽しみたい方向けのゼリーといえるでしょう。
しかし、シリコン製品の大人のおもちゃと相性が悪いため併用はしないでください。一緒に使うとゼリーの劣化が早まり、安全性が維持できない可能性があります。
オイルベース
オイルベースの潤滑剤ゼリーはしっとりとした手触りが特徴で、シリコンベース同様に長時間使い続けたい方に向いています。
ただし、オイルベースのゼリーは、ラテックスのコンドームを溶かす性質を持っている点に注意が必要です。避妊をしっかりしたい方はラテックス以外のコンドームを選ぶか、ウォーターベース・シリコンベースのゼリーを選びましょう。
性交痛がつらい…「うるおい不足」になる5つの原因
膣内がうるおい不足になる原因は、さまざまです。5つの代表的な原因を紹介するので、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
1.ストレスを感じている
2.月経前症候群(PMS)の影響を受けている
3.前戯が足りていない
4.若年性更年期に入った
5.婦人科の病気が潜んでいる
それぞれ詳しく解説します。
①ストレスを感じている
うるおい不足になる原因として、ストレスを溜めていることが挙げられます。ストレスが溜まっていると、膣のうるおいに大切な「オキシトシン」が分泌されにくくなります。
オキシトシンの分泌を促すためにも、日常に以下のことを取り入れてみましょう。
・ラベンダーのアロマオイルを嗅ぐ
・ゆっくりしたテンポの音楽を聴く
ストレスは膣のうるおい不足に直結するため、日々の生活で溜めない工夫をすることが大切です。
②月経前症候群(PMS)の影響を受けている
膣内のうるおい不足は、月経前症候群(PMS)の影響を受けている可能性もあります。PMSは月経になる3〜10日ほど前から始まり、主に以下の症状が現れます。
・イライラ
・情緒不安定
・不安
・集中力の低下
・腹痛や頭痛、腰痛 など
これらの症状が重なることでセックスに対して前向きになれず、膣内がうるおわずに痛みを感じる方もいます。
③前戯が足りていない
前戯が不十分だとリラックスや快感を得られにくいため、膣内もなかなかうるおいません。女性の快楽についてパートナーが間違った知識を得ている可能性もあるでしょう。
前戯の時間が短いだけでなく、局部を強くこするといった力加減の間違いもうるおい不足になる原因です。性交痛で悩まないためにも、一度、前戯を含めてご自身の要望をパートナーに伝えてみることをおすすめします。
④若年性更年期に入った
若年性更年期に入っている場合、女性ホルモンの「エストロゲン」が不足して、膣内がうるおわなことがあります。
若年性更年期とは、閉経を迎えていないにもかかわらず「顔がほてる」「イライラする」といった更年期の症状が現れている状態のことです。もちろん、20〜30代の若い世代でもなり得ます。
エストロゲンが減少すると、十分な量の潤滑液が出ずに性交痛を感じてしまいます。若年性更年期の症状を改善して、うるおいに満ちた性生活を送るためにも、日頃から規則正しい食事や睡眠を心がけましょう。
⑤婦人科の病気が潜んでいる
膣がうるおい不足になる原因として、婦人科の病気が潜んでいる可能性があります。特に、挿入時に膣の奥や下腹部で痛みを感じるときは、病気の可能性を視野に入れましょう。
・クラミジア感染症
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・卵巣腫瘍 など
うるおい不足とは関係なく、これらの病気が原因で性交痛を感じている場合があります。放っておくと不妊の原因にもなるため、気になる場合は早めに受診しましょう。
性交痛を我慢し続けるリスクは、不妊だけではありません。以下の記事では、痛みを我慢してはいけない理由を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
潤滑剤ゼリーは「リューブゼリー」がおすすめ
「性交痛を自分でなんとかしたい」という方には、ウォータベースの潤滑剤ゼリーである「リューブゼリー」がおすすめです。リューブゼリーは国内で初めて開発された水溶性の潤滑剤ゼリーで、多くの医療機関でも使用されています。
水やぬるま湯でかんたんに落ちるため、手軽に使いやすいメリットがあります。アレルギーテスト済みで、安心して使用できるのもうれしいポイントです。
ドラッグストアで購入できるため、性交痛をやわらげたい方はぜひ取り入れてみましょう。
潤滑剤ゼリーで性交痛が解消されないときの対処法
潤滑剤ゼリーを取り入れても性交痛が改善しない場合もあるでしょう。ここでは、3つの対処法を紹介するので、痛みが改善されないときの参考にしてみてください。
カウンセリングを受ける
潤滑剤ゼリーで性交痛が軽減できないときは、カウンセリングを受けてみるのがおすすめです。性交痛は、膣の乾燥だけでなく強いストレスなど、さまざまな原因が考えられます。
性交痛の原因を正しく知るためにも、できれば女性器形成のドクターに相談するのがおすすめです。
当院では、女性器形成専門医師の院長自らがカウンセリングからアフターケアまで一貫しておこなっています。カウンセリングを受けることで改善策を見つけられるため「誰にも相談できなくて困っている…」という方は、一度、お気軽にご相談ください。
医療機関を受診する
潤滑剤ゼリーを使っても挿入時に痛みを感じる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。先ほどお伝えしたように、セックス時に膣の奥や下腹部に痛みを感じる場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性があります。
婦人科系の病気をそのままにすると不妊のリスクも上がるため、気になる方は医療機関へ相談してみましょう。以下の記事では、婦人科でおこなう3つの治療方法を紹介しているので、あわせて読んでみてください。
レーザー治療を受ける
膣のうるおい不足を根本的に改善したいときは、レーザー治療もおすすめです。レーザー治療の中でも「インティマレーザー」は、痛みをほとんど感じることなく15〜20分程度で施術が終わります。
インティマレーザーの治療後は、膣の壁に弾力がつき、乾燥しにくい膣環境が整います。当院では、インティマレーザー治療に精通し、他医への指導もおこなう院長の施術を受けられるため「潤滑ゼリーを使わずに性交痛を解消したい」という方は、一度ご相談ください。
まとめ
性交痛を感じていても、我慢をしている女性は多いものです。手軽に痛みを改善したいときには「リューブゼリー」を活用してみましょう。
リューブゼリーは人体への影響が少ない成分のみで作られているため、安心して使用できます。価格も1,000円ほどで、多くのドラックストアで取り扱っていて手に入れやすい商品です。当院でも取り扱っているため、気になる方は気軽にご相談ください。
痛みを我慢しているとセックスがトラウマになる可能性もあるため、リューブゼリーを使って性生活を楽しみましょう。