「セックスしたあとに、入り口がヒリヒリと痛む」
「膣の入り口が赤く腫れてヒリヒリする」
性行為後に膣の入り口が痛くなり、原因がわからないまま不安に感じる方もいるでしょう。膣の入り口が痛む原因は性行為だけではないため、改善するには痛みのもとを知ることが大切です。
本記事では、膣の入り口がヒリヒリする性交痛の原因と治療方法を紹介します。快適な性生活を送るためにも、痛みの原因を知って自分にあう対処法を見つけましょう。
目次
挿入時に入り口がヒリヒリ痛む原因4つ
男性器の挿入時に入り口が痛むことは決して珍しいことではありません。
【ジェクス】ジャパンセックスサーベイの調査によると、40代女性の63.9%もの方が「セックス時に痛みを我慢している」ことがわかっています。(※)
膣の入り口が狭い体質の方がパートナーに遠慮して我慢をしていると、挿入時に痛みを感じる可能性が高まります。
性交渉の際、男性器の挿入時に膣の入り口が痛くなる4つの原因をわかりやすく解説します。
※参考:【ジェクス】ジャパンセックスサーベイ2020「若い女性は痛いセックスをしている!」
生まれつき膣の入り口が狭い
生まれつきの体質で膣の入り口が狭い方は、男性器の挿入時に痛みを感じやすくなります。女性が小柄で男性が大柄と、パートナー同士の体格差が大きい場合に起こりやすい痛みです。
生まれつき処女膜が厚い「処女膜強靭症」
処女膜強靭症(しょじょまくきょうじんしょう)の方は、挿入時に強い痛みを感じるケースがあります。処女膜強靭症とは、生まれつき処女膜が厚くて硬い体質のことです。
リラックスした状態で挿入をしても痛みを強く感じるときは、処女膜強靭症の可能性を視野に入れましょう。処女膜強靭症の場合、自然治癒やセルフトレーニングでは痛みが改善しないパターンも多く見られます。
より根本的な改善を希望する場合は、女性器専門の医師による切開手術が望ましいでしょう。
膣内が乾燥している
膣内の乾燥も、挿入時に痛みを感じる原因のひとつです。
女性は更年期が近づくと、若々しさを保つ女性ホルモンの分泌量が減り、皮膚全体が乾燥し始めます。陰部も乾燥するため、性交時に摩擦が強まり、痛みを感じるメカニズムです。
女性ホルモンが欠乏すると、膣粘膜が萎縮して潤滑液も出づらくなるため、さらに痛みを感じやすくなるでしょう。
膣内の乾燥対策として、潤滑液の代わりになるデリケートゾーン専用潤滑ゼリーの「リューブゼリー」を使用するのもオススメです。
誘発性膣前庭炎
誘発性膣前庭炎(ゆうはつせいちつぜんていえん)である場合も、挿入時に痛みを感じます。
誘発性膣前庭炎とは、「膣前庭」と呼ばれる膣の周囲や入り口部分が過敏になり、軽く触れただけでも痛みを感じる症状です。20〜60代と幅広い年齢層で見られます。
誘発性膣前庭炎にかかる原因は断定されていませんが、性行為や細菌感染などが影響していると考えられています。症状がひどくなると、座っているだけでも痛みを感じるようになるため、早めに医療機関を受診しましょう。
挿入時に限らずヒリヒリ痛む原因4つ
膣の入り口がヒリヒリする原因は、性行為だけではありません。挿入に限らず痛む原因を4つ解説します。
トリコモナス症
トリコモナス症の症状のひとつに、性交痛や排尿痛が挙げられます。トリコモナス症は性感染症の一種で、男性より女性に症状が出やすい傾向があります。
【トリコモナス症の症状例】
- 性器から悪臭がただよう
- 泡状のおりものが大量に出る(色は白や黄色)
- 陰部にかゆみや痛みが出る
症状が出ない方もいるため、気づかないうちにパートナーに移るケースもあるでしょう。トリコモナス症が悪化すると陰部や周辺の皮膚が炎症を起こし、腟の入口周辺の組織(陰唇)が腫れるため、早めの受診が大切です。
膣カンジダ症
膣カンジダ症にかかると、膣内部に痛みを感じやすくなります。膣カンジダ症の原因は、カビの一種である「真菌」といわれており、性行為だけでなく免疫が落ちたときにも感染します。
膣カンジダ症の主な症状は、以下のとおりです。
- 陰部の強いかゆみ
- ヨーグルトのような白いおりもの
- 性器の痛みや熱感
感染に気づかず炎症が広がるパターンもあるため、かゆみやおりものに変化があるときは早めに医療機関を受診しましょう。
皮膚疾患
皮膚疾患がある場合でも、膣周辺にヒリヒリとした痛みを感じることがあります。陰部に痛みが出やすい皮膚疾患は、以下のとおりです。
- 接触性皮膚炎
- ニキビ
- バルトリン腺炎
- 脂漏性皮膚炎
一般的に「かぶれ」といわれる接触性皮膚炎がひどくなると、衣類やナプキンの摩擦でもかゆみや痛みを感じます。陰部は皮脂腺が発達しているためニキビができやすく、炎症が進むと痛みを感じるでしょう。
バルトリン腺(=膣の入り口にある分泌腺)が炎症を起こしても痛みが生じます。マラセチア(カビの一種)が原因で発症するといわれる「脂漏性皮膚炎」の症状が隠部に出ても、ヒリヒリするでしょう。
このように、皮膚疾患の影響で膣周りに痛みが出るケースもあるのです。
生活習慣
生活習慣の乱れも、膣周辺にヒリヒリ感を感じる原因のひとつです。生活習慣の乱れは女性ホルモンのバランスを崩すため、肌の弾力や水分を保つ「エストロゲン」が減少します。
ホルモンバランスを見出す生活習慣は、以下のとおりです。
- ストレス
- 不眠
- 疲労 など
女性は40代を過ぎたあたりから卵巣機能が落ちるため、生活習慣の乱れが重なるとエストロゲンの分泌量低下を助長しかねません。エストロゲンの分泌量が少ないと皮膚が乾燥したり膣粘膜が薄くなったりするため、摩擦を受けたときにヒリヒリ感を感じやすくなります。
相談は形成外科か婦人科へ
膣内や膣周辺にヒリヒリとした痛みを感じる原因は異なるため、症状に合わせて「婦人科形成」または「婦人科」へ相談しましょう。
婦人科形成
処女膜の切開手術を希望する場合は、外科治療ができる「婦人科形成」に相談しましょう。
処女膜強靭症は自然治癒しないため、放っておくと強い痛みによって性行為ができないケースもあります。無理に挿入を試みると出血する可能性もあるため、早めの対処が大切です。
処女膜強靭症である場合、処女膜を切開し、縫合する手術で治療を行います。静脈麻酔により、痛みを全く感じることなく治療が可能です。
また、膣内や周辺のうるおい不足で性交痛を感じるときも、婦人科形成へ相談しましょう。ヒリヒリした痛みを感じるときは、膣の粘膜が薄くなり、乾燥しているパターンが多く見受けられます。乾燥によるヒリヒリ感を改善する場合には「レーザー治療」がオススメです。
処女膜強靭症の手術もレーザー治療も、当院「みどり美容クリニック」で対応できますので、お気軽にご相談ください。
産婦人科・婦人科
感染症や皮膚炎など、処方箋による治療が必要なときは、産婦人科または婦人科を受診しましょう。感染症である場合、性交痛のほかにもさまざまな症状が現れるため、受診の目安として以下を参考にしてみてください。
【痛みを感じる感染症と症状】
感染症の名称 | 痛み以外の症状 |
トリコモナス症 | ・性器から悪臭 ・泡状のおりもの(大量) ・陰部のかゆみ |
膣カンジダ症 | ・陰部の強いかゆみ ・ヨーグルトのような白いおりもの ・性器の熱感 |
クラミジア感染症 | ・黄色いおりものの増殖 ・不正出血 (無症状のケースも多い) |
ヘルペスウイルス感染症 | ・性器の小さな水ぶくれやただれ ・排尿困難 (無症状のケースも多い) |
性感染症の中には、無症状のまま気づかずに炎症が進行するものもあります。性感染症であるかは婦人科の検査で簡単にわかるので、早めに受診しましょう。
皮膚炎が原因で性交痛を感じる場合も自己診断はせず、婦人科にて適切な処方を受けると早めの治癒につながります。
膣の入り口がヒリヒリしたら医師に相談しましょう
膣の入り口がヒリヒリする原因はさまざまなので、それぞれに合う対処法を見つけなければいけません。感染症や皮膚炎に心当たりがあるときには、婦人科に相談しましょう。
膣の乾燥や処女膜強靭症が原因で痛みを感じるときは、婦人科形成での治療がオススメです。
症状や原因がわかりにくく、判別ができなかったとしても当院へお気軽にご相談下さい。
当院の医院長は、インティマレーザーやウルトラヴェラなどの最新マシンを日本で初めて導入し、「美容婦人科」という治療を日本に浸透させたパイオニアです。
さらに、すべての患者様に対して、この女性の医院長が対応しています。また、完全予約制の貸し切りで診察を行っていますので、周りの方を気にせず気軽に相談できる環境が整っています。
ヒリヒリする性交痛に悩む患者様の症状を多数改善してきた実績があるため、安心です。「自分が痛みを我慢すればいい…」と諦める前に、お気軽にご相談ください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会