この記事は、このようなお悩みを抱える方におすすめです。
- 男性器を挿入しようとすると痛かった
- 十分に濡れているはずなのに入らない
- 自分の膣が狭いのか、パートナーのサイズが大きいのかわからない
- 無理やり入れたけど、痛くて今後の性交に抵抗感がある
性交痛に悩んでいる女性は少なくありません。
この痛みは、性行為を楽しむ上で大きな障害となり、心理的なストレスになったり、パートナーとの関係性の問題を引き起こすこともあります。
デリケートな話題なので、周りに相談しにくいからといって放置すると、更にストレスとなってしまいます。
この記事では、性交痛の中でも「膣の入り口が痛む」お悩みに焦点を当て、原因や対策について詳しく解説します。まずは性交に関する知識を深めましょう。
性交痛とは?
性交痛とは、セックス中や性交後に感じる痛みのことです。
年齢に関わらず、多くの女性がこの問題に悩まされており、痛みの程度は軽い不快感から強い痛みまで様々です。原因や症状、痛む部位も多岐にわたるため、自己判断でケアするのが難しい悩みでもあります。
全国の約2,500人の女性が回答した、性交痛に関するアンケート調査では、20~40代女性の約66%が「性交痛を経験したことがある」と回答しています。
性交痛の症状
具体的な症状には、挿入時の鋭い痛みや膣内の圧迫感、膣内の乾燥感、性交後の鈍痛などがあります。
痛むタイミングにも個人差があり、挿入していないのに日常的に痛む方や、日常的にヒリヒリとした痛みは無いものの挿入時に痛むことがある、といった違いがあります。この症状を放置したり悪化させてしまうと、出血や膣炎といった症状に発展してしまうこともあります。
主な原因
性交痛の一般的な原因としては、膣の乾燥や感染症、炎症が挙げられます。また、ホルモンバランスの乱れや心理的なストレス、不安も大きな要因です。
特に更年期の方は、女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、膣が乾燥しやすくなってしまい、性交痛に繋がるケースが増えてきます。
このような問題を抱えた場合、適切な治療を受けることが重要です。今挙げた原因も、数ある原因のうちの一つです。
自分で原因を判断して、間違ったセルフケアをしてしまうと余計に悪化する恐れがあります。例えば、感染症が性交痛の原因だった場合は、いくら膣トレをしても改善しません。
早めの段階で婦人科系のクリニックで受診しなければいけません。
入り口が狭く感じる原因
性交痛の原因について解説しましたが、痛みを感じる部位によっても原因や対処法が変わります。
ここでは、膣の「入り口」が特に痛む場合について解説します。
心理的要因
心理的な要因も膣が狭く感じる要因の一つです。日常のストレスや不安、セックスに対するトラウマなどがある場合、体が無意識に緊張し、膣の筋肉が硬直してしまいます。
これにより、入り口が狭く感じられ、痛みが生じることがあります。場所や時間を考慮してリラックスできる工夫をしたり、勇気をだしてパートナーとのコミュニケーションを図る改善策として有効です。
前戯が不十分だったり、性的興奮が得られない場合も、入り口が狭く感じてしまいます。厳密に言えば、これは膣口が狭いわけではなく、潤滑液の分泌量が不足していることからくる痛みです。この場合は特に、パートナーとのコミュニケーションによる改善が重要となります。
処女膜強靭症
処女膜強靭症(しょじょまくきょうじんしょう)は、処女膜が異常に厚く硬くなっている状態を指します。処女膜強靭症の原因は、生まれつきの遺伝的要因と、発育過程の異常など後天的なものと両方が考えられます。
女性が初めての性交を試みる際に、強い痛みや出血、挿入の困難さを経験することが一般的なため、特に経験の少ない女性が処女膜強靭症かどうか判断することは難しいです。
一方で、セックスの回数を重ねているにも関わらず、挿入時の痛みを感じる場合は処女膜強靭症の疑いがあるため、クリニックへ受診の上、手術をする必要があります。
膣炎
膣炎が発症している場合、膣の入り口が狭く感じることがあります。主な膣炎としては「カンジダ膣炎」や「細菌性腟炎」などが挙げられます。これらは、直接的に膣を狭くする特徴はありませんが、膣や外陰部に腫れや赤みの原因になることがあるため、腫れた膣に対して狭さを感じる可能性があります。
膣炎の治療には、抗生物質を内服したり、膣剤(座薬)を使用する方法があります。狭さ以外にも、おりものや異臭などの症状を感じる場合は婦人科系のクリニックへ相談しましょう。
その他の身体的要因
膣の乾燥は、入り口の痛みに関わらず性交痛の一般的な原因です。入り口を狭くする直接的な原因ではありませんが、乾燥からくるヒリヒリとした痛みが、膣が狭いと勘違いする原因になります。
また、潤い不足が原因で膣壁の柔軟性が無くなり萎縮して固くなると、狭く感じることがあります。
狭い入り口の治療方法
入り口の狭さに悩みを抱える方におすすめする治療方法を2つ紹介します。
処女膜切開手術
処女膜切開手術は、痛みの原因となる靭帯の硬い部分を切除する手術です。つっぱりを切除することで挿入がスムーズになり性交時の痛みが緩和されます。
手術の際には、局所麻酔に併せて静脈麻酔(リラックス麻酔)を使用します。そのため、痛みを全く感じない手術が可能です。
切開後は、吸収糸(溶ける糸)で縫合を行い止血を確認するため抜糸が不要です。その後、実際に専用の挿入器具を使ってスムーズに挿入が可能かを確認して、処女膜切開手術は終了です。
処女膜切開手術の費用については以下の通りです。
処女膜切開手術の費用については以下の通りです。 | |
処女膜切開手術 | 210,000円(税込 231,000円)~ (処女膜強靭症のレベルにより変動) |
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静脈麻酔 | 30,000円(税込 33,000円) |
※当院では、全て保険適用外の自由診療となります。
セルフケア
手術を行わずに、自分でケアする方法を3つご紹介します。ただし、いずれのケア方法も自己判断で実施するとかえって悪化してしまう可能性があるため、専門医によるカウンセリングで適切なケア方法を確認してから実践するようにしましょう。また、セルフケアをしても根本治療にはならずに一時的な改善しか見込めないため、即効性と持続性を求める方は注意が必要です。
リューブゼリー
リューブゼリーはデリケートゾーン専用の潤滑ゼリーです。よくローションと同じものであると勘違いされますが、ローションはあくまで全身用で粘り気が強く、デリケートゾーンへの使用は推奨されていません。一方でリューブゼリーは安全性に徹底配慮して作られているため、膣へ使用しても安心です。
入り口の狭さを根本的に治療するものではありませんが、膣の乾燥感からくる入りづらさにお悩みの方には有効的です。
マッサージ・膣トレ
デリケートゾーンのマッサージは、膣の固さが原因で膣口の狭さを感じている方に効果的です。ただし、間違ったマッサージをしてしまうと膣を傷つける原因にもなってしまいますので、前述のリューブゼリーを活用するなど工夫が必要です。
また、ダイレーターと呼ばれる膣トレ専用の器具を使って、徐々に膣を広げる方法もあります。ただし、これらのマッサージや膣トレは、効果が出るまでに時間がかかるため、即効性を求める場合は「処女膜切開手術」や「膣入口拡張手術」がおすすめです。
入り口の痛みにお悩みの方はお気軽にご相談下さい
入り口が狭くて性交痛を感じる方は少なくありません。当院においても、同じ症状をお持ちの方を治療し、多くの方のお悩みを解決してきた実績があります。
当院では、ヒアリングから手術、アフターケアまですべて女性の院長が担当します。他クリニックでは、勇気を出して悩みを打ち明けたのに担当医が変わった、といったケースもありますが、当クリニックではヒアリングからアフターケアまで院長が寄り添います。
まずはお気軽にカウンセリングをご利用下さい。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会