「性交時にこれまでなかった痛みを感じるようになった」
「痛みが気になり性交を楽しめない」
性交痛で上記のような悩みはないでしょうか。性交痛の原因はさまざまで、いくつかの対処法があります。
本記事では、性交痛の原因と、対処法を詳しく解説しています。性交痛の解消にぜひお役立てください。
目次
6割以上の女性が性交痛を感じている
性交痛とは、性交時に痛みや不快感を感じる症状のことです。外陰部や膣の入り口付近、膣の奥が痛む場合などがあります。
挿入時やピストン運動により痛む場合や、性交後まで痛む場合などタイミングはさまざまです。ヒリヒリ・ズキズキするような鋭い痛みや、締め付けるような痛みなどがあり、痛みの感じ方もさまざまです。
久しぶりの性交で急に痛みを感じる方もいます。
日本家族計画協会の調査によると、6割以上の女性が性交の時に、痛みを感じているようです。
事情を相手に相談しづらいことから、我慢する方も多いようですが、無理をし続けると、状態が悪化してしまうことがあります。
その結果、性交を避けてしまい、セックスレスとなってしまうカップルも少なくありません。また、なかには婦人科系の疾患や炎症を起こしているケースもあり、注意が必要です。
性交痛の原因8つ
性交痛の原因は、体質的な場合や精神的な理由などさまざまであり、以下のとおりです。
- ストレスや緊張
- パートナー側の原因
- ラテックスアレルギー
- 更年期障害
- 婦人科系疾患
- 炎症・感染症
- 体質
- 出産
それぞれ解説していきます。
1.ストレスや緊張
ストレスや緊張など、精神的な負担により性交痛になることがあります。精神的な負担は、膣の潤い不足や筋肉の硬直を引き起こすためです。
精神的な負担は、経験の少なさや久しぶりであるための緊張や、感染症あるいは妊娠への不安などが挙げられます。また、更年期障害による情緒不安定や、日頃の生活からくるストレスによるものまでさまざまです。
お互いの愛情不足や性交に対する嫌悪感から性交痛となることもあります。やっかいなのは、過去にうまくできなかったことでトラウマになり、悪循環に陥るケースがあることです。
また、精神的な理由により膣が痙攣してしまう、ワギニスムスを引き起こす場合があります。このように、精神面が与える影響は大きいといえます。
2.パートナー側の原因
パートナー側の原因による場合があります。例えば、前戯が不十分な場合や過激なピストン運動などです。
あるいは無理な体位など、間違ったテクニックによって引き起こされるケースがあります。また嫌悪感を持っていたり、信頼感の不足が精神的に影響し、性交痛を引き起こす場合もあります。
このようなケースでは、自分一人で解決できるものではありません。しかし、相手を傷つけてしまうのではないか、恥ずかしくて相談できないなどに理由により、放置してしまうケースも多いようです。
3.ラテックスアレルギー
ラテックスアレルギーにより性交痛になる場合があります。ラテックスアレルギーは、天然ゴムに対するアレルギー反応です。
天然ゴムは、多くのコンドームの素材に使用されています。ラテックスアレルギーの反応は、発疹や腫れ、痒みなどです。
ラテックスアレルギーは、まれにアナフィラキシーを引き起こす例があります。嘔吐や下痢、めまい、脈拍の変化など反応はさまざまです。
また、命に関わる重大な場合もあります。そのため、ラテックスアレルギーがある方は、天然ゴム素材を避けるなど、コンドーム選びに注意が必要です。
4.更年期障害
更年期障害の影響により、性交痛になることがあります。更年期には、のぼせやめまい、発汗などさまざまな障害がありますが、性交痛があることも特徴の一つです。
更年期のさまざまな障害の原因は、GSMによるものが多いといえます。GSMとは、閉経関連尿路生殖器症候群を指します。
更年期には、女性ホルモンのエストロゲンが減少していきますが、それに伴って起きる障害の総称がGSMです。エストロゲンが減少すると、膣粘膜が薄くなり、潤いが不足し、膣内環境が悪化することがあります。
膣の潤い不足は、性交時の痛みや出血の原因となります。
5.婦人科系疾患
婦人科系疾患により、性交痛が起きることがあります。例えば、子宮内膜症や子宮筋腫などです。
子宮内膜は通常、子宮の内側を覆っている組織ですが、それ以外の場所にできてしまう病気です。場所により性交痛になることがあり、性交時に膣の奥をついたときに痛みます。
子宮筋腫は、子宮内にできる良性の筋腫です。子宮の内側など、発生する箇所によっては性交痛となります。
子宮内膜症、子宮筋腫どちらも女性ホルモンの影響で進行するため、更年期以降はおさまっていくことが多いです。しかし、女性ホルモンが分泌されているうちは進行するため、痛みや違和感を感じているなら診察を受けた方が良いでしょう。
6.炎症・感染症
炎症や感染症に感染していることで、性交痛を引き起こすことがあります。性交以外に、排尿時に痛みを感じることもあります。
感染症の原因は、主に性交によるものです。しかし、トイレやサウナなどの利用から感染する例もあります。
また、膣内環境が乱れることで、普段は少数である菌が増殖し発症するなど、感染症の種類はさまざまです。デリケートゾーンの蒸れや汚れ、下着との摩擦により外陰部が炎症を起こす場合もあります。
これらは、医師による診察・治療を必要とすることが多いです。膣や外陰部に普段感じない痛みやかゆみ、おりものなどの異常があった場合には、すぐにクリニックで診察を受けましょう。
7.体質
体質が原因で性交痛を引き起こすこともあります。例えば、生まれつき膣が狭い場合や処女膜が固く厚い状態の処女膜強靭症などです。
これらのほとんどは、自然に改善することはなく、セルフケアでも対処は難しいでしょう。根本的に対策するのであれば、クリニックでの治療が必要です。
また、相手側の体質が理由である例として、男性器が大きいことで性交痛となる場合があります。このようなケースでは、性交時に潤滑ゼリーを使用したり体位を工夫するなどして解消できるかもしれません。
8.出産
出産後、性交痛が起きることがあります。出産直後の性交痛は、更年期と同様エストロゲンの分泌の減少によるものです。
女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、膣が乾燥し潤い不足の状態となります。その結果、男性器の挿入や摩擦によって引き起こされます。
他に、陣痛の痛みによる恐怖感からの膣の硬直や潤い不足、会陰部の切開や縫合による痛みが性交痛となる場合など、原因はさまざまです。
性交痛の対処法5つ
性交痛の対処法を5つ以下に解説します。
- 環境を整える
- パートナーに相談する
- 日頃のケアをする
- 潤滑ゼリーを使う
- クリニックで診察を受ける
すぐにはじめられることもあるため、できることからさっそく実践してみましょう。
1.環境を整える
性交時に、部屋の環境を整えることで、改善できる場合があります。精神的な影響から引き起こされる性交痛に対処できるためです。
性交を楽しめる環境でなければ、膣の潤い不足や膣の硬直などから性交痛となります。環境を整えるとは、リラックスできる状況を作り出すことです。
例えば、部屋の照明を変えるだけでも雰囲気は変わるでしょう。あるいは、ムードのある音楽を流すことで気分が高まるかもしれません。
また、性交前に会話しながらスキンシップを楽しむなども効果的です。
2.パートナーに相談する
パートナーに相談し、協力してもらうことで、解消できる場合があります。例えば前戯に時間をかけてもらい、十分な潤いを得てから性交することです。
体位により性交痛がある場合には、無理のないように工夫してもらいましょう。あるいはピストン運動をやわらげてもらうことで、痛みが軽減されることがあります。
性交痛があることを伝えるときは、恥ずかしさや相手への申し訳なさが先立つかもしれません。しかし、きちんと状況や気持ちを伝えることで、初めて協力してもらえるものです。
つい相談を先延ばしにしたくなるかもしれませんが、痛みを我慢し続けることは、結果的にカップルの不仲になりかねません。まずは、素直な気持ちを伝えてみましょう。
3.日頃のケアをする
日頃のケアで、性交痛が改善できる場合があります。例えば、膣の潤い不足であれば、保湿クリームで膣ケアすることです。
毎日ケアすることで膣の乾燥が改善され、効果が見込めるかもしれません。保湿クリームは、膣ケア専用が販売されています。
また、デリケートゾーンの洗いすぎも、乾燥を助長させるため要注意です。刺激の少ないソープを使い、やさしくていねいに洗いましょう。
他に、専用オイルを使ったセルフマッサージで、日頃から体を慣らしておくのも良いでしょう。膣マッサージ専用のオイルには、膣を柔軟にする働きがあり、保湿作用もあります。
4.潤滑ゼリーを使う
潤滑ゼリーを使うことで、軽減できる場合があります。潤滑ゼリーは、使用したその場で潤滑効果を得られ、手軽に試せる対策方法です。
使用に際しては、事前に相手の理解を得ておくことで、スムーズに活用できるでしょう。
潤滑ゼリーは、多くのメーカーからさまざまな製品が販売されています。リューブゼリーなど、水を主成分とした安全性の高い製品を使用すると安心です。
似た製品に、ローションがありますが、デリケートゾーンの使用にはおすすめしません。ローションは、ボディ用として製造されています。
膣内に残ってしまうと、含まれる成分により膣の乾燥を促進してしまうおそれがあります。
5.クリニックで診察を受ける
潤滑ゼリーを試しても痛い場合は、クリニックでの治療も選択肢の一つとなります。さらに診察を受けることは、膣の状態を確認でき原因を知ることができるため、より自分にあった治療を受けることができます。
クリニックでは、レーザー治療や外科治療など、高度な技術を活用し、根本的な改善が期待できます。
インティマレーザーは、膣の細胞を活性化し潤いを促進することで、高い効果を発揮します。また性交痛だけでなく、ゆるみや黒ずみのホワイトニングといったことにも効果的です。
当院では、インティマレーザー最上位機種を設備しており、世界基準でのレーザー治療が可能です。また院長はインティマレーザー指導医の資格をもっており、他院に指導を行っているため安心です。
手術による治療が必要な処女膜強靭症も、経験豊富な医師により安心して治療を受けることができます。
クリニックでは治療だけでなく、多くの症例を手がけてきた専門家のアドバイスも受けられることもメリットです。まず、自分の状況を把握するためにも、一度クリニックでの診察を受けることが望ましいでしょう。
早めに診察を受けた方が良いケース
早めに診察を受けた方が良いケースは、性交時の痛みが徐々に悪化していく場合や、性交後も痛みが残る場合です。
また、膣の奥に痛みを感じる場合には婦人科系の疾患を患っている可能性があるため、診察を受けることをおすすめします。
潤滑ゼリーなどのセルフケアによって解消されなかった場合も、クリニックで相談してみると良いでしょう。
まとめ:性交痛の原因はさまざま
性交痛の原因はさまざまです。また、いくつかの要素が絡んでいる場合もあり、完全な改善は難しいかもしれません。
そのような場合は、クリニックで相談することで早期に解決できる可能性があります。クリニックでは、さまざまな性交痛の悩みを解決してきた院長がカウンセリングから施術まで行います。
女性のデリケートなお悩みを話せるよう、当院は女性限定で、その時間は患者様一人の貸切空間となっております。プライベートな診察室で他の患者と会うこともなく診察が可能なため、性交痛で悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会