性交痛を感じる女性のなかには、
「レーザー治療が気になるが、自分に合うものがわからない」
「ヒリヒリとした痛みを解決したいが、どんな治療を受けるべきかわからない」
「誰にも相談できないので、自分で解決したい」
このようにお考えの方もいるでしょう。
性交痛とは、性行為をしている時やその後も続く痛みをさし、ヒリヒリとした痛みは膣の入口で感じる場合が多いです。
性交痛には、さまざまな原因があり、多くは膣のうるおい不足による乾燥が原因です。
膣のうるおい不足は、女性ホルモンのエストロゲン分泌量の減少により、膣粘膜が萎縮したり薄くなったりするのが主な要因です。
膣の乾燥が原因で生じる性交痛の主な改善方法は、以下のとおりです。
- レーザー治療
- 潤滑ゼリー
- ホルモン補充療法
本記事では、以下のレーザー治療に焦点をあて、施術方法やメリットデメリットを紹介します。
モナリザタッチ
インティマレーザー
ウルトラヴェラ
性交痛に対するレーザー治療が気になる方は、参考にしてみてください。
目次
性交痛に対するレーザー治療とは
性交痛に対するレーザー治療の目的は、加齢などが原因で失われた膣のうるおいや弾力を改善することです。
加齢やホルモンバランスの乱れにより女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が減少すると、膣粘膜が乾燥したり固まったりして、摩擦による痛みを生じやすくなります。
しかし、膣内にレーザーを照射することで、コラーゲンの産生が促され、膣のうるおいや弾力を取り戻せます。
女性ホルモン剤を使用しないため、身体への負担が少ない治療です。
レーザー治療には、以下のような種類があります。
- ・モナリザタッチ
- ・インティマレーザー
- ・ウルトラヴェラ
レーザー治療の効果を最大に引き出すには、それぞれの特徴を知り、自分に合った治療選びが重要です。
性交痛のレーザー治療①:モナリザタッチ
モナリザタッチの施術方法とあわせて、メリットやデメリット、モナリザタッチがおすすめな人を解説します。
モナリザタッチの施術方法
モナリザタッチは、器具の先端を膣内へ挿入してレーザーを照射し、膣壁の表面に点状の穴を開ける治療です。
膣表面に軽いダメージを与え、コラーゲンを作り出す細胞を活性化させることで、膣壁のコラーゲンを増殖させます。
コラーゲンが増え血流もアップすると、薄くなっていた膣壁に厚みやヒダが生まれ、うるおいのある膣に変化します。
治療時間は10分程度と短く、麻酔も使用しないため身体への負担が少ないです。
モナリザタッチのメリット
【1回の治療で効果を実感できる】
モナリザタッチは、1回目の照射で「性交痛」や「乾燥」に対する効果を実感できます。
しかし、効果の感じ方は個人差や症状も影響するため、1〜2ヶ月おきに2〜3回の治療を受けるのがおすすめです。その後は、半年〜1年おきに1回または、効果を感じづらくなった頃に治療を受けることで効果が持続します。
【尿もれを改善できる】
モナリザタッチには、膣の乾燥を改善できるだけではなく、尿道括約筋を引き締める効果があり、尿もれの改善も期待できます。
尿道括約筋とは、排尿機能を調節する筋肉の1つです。
出産や加齢により筋力が低下すると、尿がもれやすくなります。
しかし、レーザーで筋肉を引き締めることで機能改善が図られるため、尿もれ改善が期待できるのです。
【費用が比較的安い】
モナリザタッチの費用は、ほかのレーザー治療に比べると安価です。
治療にかかる費用をできるだけ抑えたい方は、検討してみると良いでしょう。
モナリザタッチのデメリット
【ダウンタイムがある】
モナリザタッチでは、場合によってはダウンタイムが生じます。
ダウンタイム中に生じる主な症状は、以下のとおりです。
- ・出血
- ・灼熱感
- ・軽い下腹部痛
しかし、これらの症状は一時的なもので、ほとんどの場合1〜3日間で落ち着きます。
【通院する必要がある】
モナリザタッチの効果を持続するには、定期的な治療が必要です。
仕事や家庭の事情により、時間がない方にはデメリットといえるでしょう。
【一定期間、性行為ができない】
施術後3日間は、性行為を控える必要があります。
そのあとも違和感や出血を伴う場合は、症状が治るまでは性行為を控えましょう。
モナリザタッチはこんな人におすすめ
モナリザタッチは、以下の症状でお悩みの方におすすめです。
- ・膣の乾燥やにおいが気になる
- ・性交痛を改善したい
- ・膣萎縮が気になる
- ・尿もれを改善したい
モナリザタッチは、もともと加齢による膣萎縮を改善するために考えられた治療器です。
更年期や閉経などによるホルモンバランスの乱れでお悩みの女性は、モナリザタッチを検討してみるとよいでしょう。
性交痛のレーザー治療②:インティマレーザー
インティマレーザーの施術方法とあわせて、メリットやデメリット、インティマレーザーがおすすめな人を解説します。
インティマレーザーの施術方法
インティマレーザーは、膣内へ専用の器具を挿入してレーザーを照射する治療です。
コラーゲンを作る細胞に熱エネルギーで刺激を与え、コラーゲンの増殖を促します。
インティマレーザーでは、照射モードが選択でき、症状や目的に合った治療が可能です。
膣表面に微細な傷をつけるモナリザタッチに対し、インティマレーザーは膣表面にダメージを与えることなく、深層の膣粘膜まで熱を届けられるのが特徴です。
インティマレーザーのメリット
【改善できる症状が幅広い】
インティマレーザーには数種類の照射方法があり、症状に合った最適なモードでの治療が受けられます。
インティマレーザーで期待できる改善効果は、以下のとおりです。
- ・膣のゆるみ
- ・尿もれ
- ・性交痛
- ・膣の乾燥・灼熱感
- ・小陰唇の違和感
- ・外陰部の黒ずみ
インティマレーザーでは、性交痛とあわせてさまざまな症状の改善が期待できます。
【ダメージが少ない】
インティマレーザーは、深層の膣粘膜へ直接アプローチできるため、ほかの組織にほとんどダメージを与えません。
【治療時間が短い】
インティマレーザーの治療時間は、10〜20分程度です。入院の必要がなく、当日に帰宅できます。
インティマレーザーのデメリット
【副作用が出る場合がある】
インティマレーザーは、副作用がほぼなく安全性も認められている治療方法ですが、場合によっては、以下のような症状があらわれます。
- ・腫れ
- ・少量出血
- ・おりものの増加
しかし、これらの症状は、時間の経過とともに落ち着くため、過度に心配する必要はありません。
インティマレーザーはこんな人におすすめ
インティマレーザーは、以下のような方におすすめです。
- ・膣のゆるみが気になる
- ・性交痛を改善したい
- ・尿もれを治したい
- ・膣の灼熱感や違和感を改善したい
- ・外陰部の黒ずみが気になる
性交痛のほかにもお悩みがある方は、インティマレーザーを検討してみるとよいでしょう。
当院では、インティマレーザーのなかでも最上モデルの「SPダイナミス」を導入しています。
SPダイナミスは、従来の機器に比べて広範囲でのレーザー照射が可能であり、コラーゲンの増殖や膣の引き締めに、さらなる効果が期待できます。
インティマレーザーの詳細は、こちらの記事を参考にしてみてください。
「インティマレーザー(膣引き締め・ゆるみ解消のレーザー治療)」
性交痛のレーザー治療③:ウルトラヴェラ
ウルトラヴェラ(ヴィーナスハイフ)とは、顔の施術に使用していた超音波機器を女性器用に改良したものです。
ここでは、ウルトラヴェラの施術方法やメリットデメリット、ウルトラヴェラがおすすめな人について解説します。
ウルトラヴェラの施術方法
ウルトラヴェラに使用するレーザーは、超音波です。膣内へタンポンのような先端を挿入し、超音波を照射します。ウルトラヴェラは、目的に応じた器具の使い分けが可能です。
1.5mm、3.0mm、4.5mmのそれぞれの深さへ熱が届けられるとコラーゲンは変性し、自ら再生しようと新たなコラーゲンを作ります。
ウルトラヴェラのメリット
【治療効果が1年持続する】
ウルトラヴェラの治療効果が持続する期間は約1年持続し、治療の3週後から効果を感じる方が多いです。
膣内の環境や年齢によって、3か月後や半年後に追加照射する場合もあります。
とくに問題がなければ、年に1回の治療で膣内のハリや弾力の維持が可能です。
【膣の引き締め効果がある】
コラーゲンが再生されると、ハリや弾力が取り戻され、膣壁に厚みが生じます。
ふっくらとしたボリュームのある膣壁になり、膣の引き締め効果を感じられるでしょう。
【深層の筋肉にアプローチできる】
ウルトラヴェラは、目標とする部位にエネルギーを集約できるため、膣粘膜を傷つけずに深層の筋肉まで熱を届けられます。
モナリザタッチやインティマレーザーよりも奥深くまで照射でき、温度も60〜70度まで上げられます。
メスを使わずに深層の筋肉までアプローチできることや設定温度を高くできるのは、ウルトラヴェラの特徴です。
ウルトラヴェラのデメリット
【1回の治療にかかる費用が高い】
ウルトラヴェラの費用は、モナリザタッチやインティマレーザーに比べて高い傾向にあります。
【膣壁が薄いと効果が出にくい】
ウルトラヴェラの先端は、1.5mm、3.0mm、4.5mmの3種類あります。
これよりも膣壁が薄い場合は、満足できる治療効果は得られにくいため、医師と相談し、別の治療方法を検討しましょう。
ウルトラヴェラはこんな人におすすめ
ウルトラヴェラは、以下のような方におすすめです。
- ・性交痛や子宮炎を改善したい
- ・膣の乾燥やゆるみが気になる
- ・尿もれが気になる
- ・感度をアップさせたい
ウルトラヴェラの詳細は、こちらの記事を参考にしてみてください。
「ヴィーナスハイフ(V-HIFU)・ウルトラヴェラ」
性交痛をより簡単に解決するなら潤滑剤もおすすめ
「性交痛を自分で解決したい」
このようにお考えの方には、潤滑ゼリーがおすすめです。潤滑ゼリーは、膣乾燥による性交痛を緩和できます。
ボディーローションと違い、陰部専用に作られているため安心して使用できます。
当院おすすめの潤滑ゼリーは「リューブゼリー」です。
リューブゼリーは、日本で初めて開発された水溶性の潤滑ゼリーで、ベタつかずサラっとした使い心地です。
コンドームとの併用も可能で、男性も使用できます。
使い方は簡単で、適量を指先にとり、膣内へ塗布するだけです。
リューブゼリーは、ドラッグストアでも購入できます。
リューブゼリーについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
「性交痛を和らげるリューブゼリーについて」
性交痛のレーザー治療はクリニック選びが大切
レーザー治療は、専門的な知識や高度な技術が必要であるため、経験や実績のある医師やクリニックで施術を受けるのがおすすめです。
治療経験が豊富な医師の施術を受けることで、より高い治療効果が期待できるからです。
医師やクリニックの情報は、サイトや口コミでも確認できます。気になるクリニックがあれば、医師によるカウンセリングを受けるのをおすすめします。
カウンセリングを受ける際は、以下の点を意識するとよいでしょう。
- ・医師が丁寧に話を聞いてくれるか
- ・質問に対し、わかりやすく説明してくれるか
- ・レーザー治療のリスクや副作用について説明があるか
- ・治療後もアフターフォローをしてくれるか
- ・レーザー治療に関するライセンスを保有しているか
当院では、レーザー治療の認定医である女性医師によるカウンセリングを受けられます。レーザー治療の指導医資格を保有しており、きめ細やかなサポートができるため、気になる方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
性交痛に対するレーザー治療は、以下の3つです。
- ・モナリザタッチ
- ・インティマレーザー
- ・ウルトラヴェラ
レーザー治療は、膣内にレーザーを照射してコラーゲンを増やします。
女性ホルモン剤を投与したりしないため、身体への負担が少ない治療方法です。
それぞれのレーザー治療について、メリットやデメリットを確認しておきましょう。
膣内の乾燥 | メリット | デメリット |
モナリザタッチ |
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インティマレーザー |
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ウルトラヴェラ |
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性交痛を簡単に解決したい方は、潤滑ゼリーを使用するとよいでしょう。
レーザー治療を受ける際には、経験や実績のある医師やクリニックで施術を受けるのがおすすめです。
当院は、「美容婦人科」という治療を日本で初めて導入し、インティマレーザーやウルトラヴェラなど時代ごとに最新のマシンを日本で初めて導入しました。
また当院の院長は、日本人の女医として初めて「美容婦人科」の先進国であるアメリカ、ビバリーヒルズにおいてレーザーによる膣の引き締め手術や、レーザーを用いた女性器形成の手術を習得し、美容婦人科のパイオニアとして活動しています。
性交痛やレーザー治療に対する不安がある方は、ぜひカウンセリングにお越しください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会