最終更新日：2024年1月19日
セックスの際に、ヒリヒリとした痛みを感じた経験はありませんか？性交痛はセックスをしているときだけではなく、終わったあともしばらく続くことがあります。
また性交痛にはさまざまな原因があり、その多くは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量の低下が関係しています。
ヒリヒリと痛む性交痛は、痛みを感じる場所や種類によって原因の特定が可能です。原因が分かれば自分に合った方法で性交痛の改善が期待できます。
そこで本記事では以下について解説します。
- 性交痛について
- ヒリヒリと痛む性交痛の原因
- ヒリヒリと痛む性交痛を改善する方法
性交痛でお悩みの方は、参考にしてください。
目次
性交痛とは？
性交痛とは、セックスのときや終わったあとに感じる痛みをさします。性交痛は、幅広い年代の女性に起こるもので、悩みを抱えている女性も少なくありません。
性交痛を発症しやすい場所は、主に膣の入口付近と膣の奥の方です。
ヒリヒリとした痛みを感じやすいのは、膣の入口付近で生じる性交痛です。膣内が十分にうるおっていないため、挿入時やピストン運動時に摩擦抵抗を受けやすいからです。
一方、膣の奥では鈍い痛み、あるいはズキズキとした痛みが多いといわれています。膣の奥の方が痛む場合は、子宮内膜症など婦人科疾患の可能性もあるため注意が必要です。
ヒリヒリとした性交痛の5つの原因
セックスの際に膣がヒリヒリと痛むのは、膣の入口付近で生じる性交痛の場合が多いです。
ヒリヒリと痛む性交痛の原因は以下のとおりです。
・膣の乾燥
・性感染症や炎症
・ラテックスアレルギー
・パートナーとの相性
・陰部の洗いすぎ
それぞれ解説します。
膣の乾燥
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、膣内の粘膜にうるおいを与える役割があります。
ホルモンバランスが乱れ、エストロゲン分泌量が低下すると、膣粘膜が薄くなります。
併せて膣の弾力も失われるため、膣自体が硬くなってしまうのです。
このような状態は「萎縮性膣炎」といわれており、性交痛の原因の一つです。
また更年期や出産後は、エストロゲン分泌量が低下しやすいため、膣の乾燥を起こしやすい傾向にあります。
さらに、悩みや不安など精神的なストレス、疲れや体調不良など身体的なストレスもエストロゲンなどのホルモンバランスを乱す要因になります。
性感染症や炎症
性感染症や膣の炎症も性交痛を感じる要因です。ヒリヒリとした痛みを感じる可能性がある性感染症は以下の3つです。
・細菌性膣症
・膣トリコモナス症
・カンジダ症
それぞれ解説します。
細菌性膣症
細菌性膣症は、膣内にいる常在菌のバランスが崩れることで発生します。ほかの性感染症と違い、特定の原因微生物はありません。ヒリヒリとした痛みのほかにみられる症状は以下の通りです。
・膣の腫れ
・灰色のおりもの
・悪臭
このような症状がある場合には細菌性膣症の可能性があります。
膣トリコモナス症
膣トリコモナス症は、トリコモナス原虫が膣に感染することで発生します。症状は以下の通りです。
・外陰部や膣の痛み
・外陰部の強いかゆみ
・泡状のおりもの
・悪臭
このような症状がある場合には、膣トリコモナス症の可能性があります。
カンジダ症
カンジダ症は、真菌の一種でありカンジダ菌の感染によって発生します。症状は以下の通りです。
・外陰部や膣のかゆみ
・おりものの増加
・ヨーグルト状の膣内容物
・排尿障害
このような症状がある場合には、カンジダ症の可能性があります。
性感染症は、セックスによって感染するおそれがあるため、気になる症状がある人はセックスを控え、
早めに医療機関を受診しましょう。
ラテックスアレルギー
ラテックスとは天然ゴムのことでコンドームなど、あらゆるゴム製品に使われています。
体質によっては、ヒリヒリ感やじんましんなどのアレルギー反応を引き起こす場合があるため注意が必要です。
パートナーとの相性
膣の大きさと男性器の大きさが合っていない場合もヒリヒリとした痛みが生じます。
また極端に愛撫の時間が短いと、性的な興奮が得られないため膣内のうるおいが不足してしまいます。
「愛撫の時間が短い」と感じる人は、時間を長くするなど工夫してみるとよいでしょう。
陰部の洗いすぎ
「陰部を清潔に保ちたい」と考える女性は少なくありませんが、洗いすぎには注意が必要です。
陰部を洗いすぎると膣内細菌の善玉菌まで流れてしまい、膣の乾燥やかゆみなどを引き起こす可能性があるからです。
ヒリヒリ感を改善する3つの方法
ヒリヒリ感を改善するためには先述した原因を探り、それぞれに沿った改善方法を試す必要があります。
ここでは、膣の乾燥によるヒリヒリとした痛みを改善する方法について解説します。
膣の乾燥を改善する方法は以下の通りです。
・潤滑ゼリーを使用する
・ホルモン補充療法を受ける
・レーザー治療を受ける
それぞれ解説します。
潤滑ゼリーの使用
潤滑ゼリーは、陰部専用の潤滑剤です。潤滑ゼリーによって、膣内のうるおい不足を補えるので性交痛の改善が期待できます。
おすすめの潤滑ゼリーは「リューブゼリー」という商品です。
適度な粘度で塗りやすく膣内ではサラサラに変化し、膣内をうるおします。
使い方はとてもシンプルです。性行為の前に500円玉程度のゼリーを清潔な手にとり、膣や膣周辺に優しく塗布するだけです。
日本初の水溶性潤滑ゼリーであり、無色透明で無臭、殺菌処理がされているため安心して使用できます。
当院でもリューブゼリーを取り扱っています。膣の乾燥が気になる方は、お気軽にご相談ください。
ホルモン補充療法
性交痛を早く改善するには、女性ホルモンの補充療法が効果的です。
女性ホルモンであるエストロゲンを薬剤の投与で補充します。
性交痛のほかにも、以下のような更年期症状の改善が期待できます。
・ほてり
・発汗や動悸
・不眠
・関節痛
・イライラ
・頻尿や膀胱炎
ホルモン補充療法では、不正性器出血や下腹部のはりなどが、副作用として起こる場合があります。
しばらくすると症状が軽くなるため、必要以上に心配する必要はありません。
レーザー治療
膣の乾燥などによって生じる性交痛の改善には、レーザー治療が適しています。
当院では「インティマレーザー」を使用した治療を提供しています。
インティマレーザーを外陰部や膣内に照射することで、細胞を活性化させコラーゲンの産生を促進します。
コラーゲンによって、乾燥して硬くなった膣にハリや弾力が取り戻されるため、性交痛の改善が期待できます。
当院では、最上モデルのレーザー機器を取り扱っており、性交痛以外にもさまざまな悩みに対する治療が可能です。
治療可能な症状は、以下のとおりです。
・膣の引き締め
・尿もれ
・黒ずみ解消
・子宮脱や膀胱脱
レーザー治療では出血や痛みがほとんどなく、施術した当日に帰宅可能です。気になる方は、お気軽にご相談ください。
性交痛の予防にはパートナーの理解が必須
ヒリヒリと膣が痛む際は、無理にセックスを続けてはいけません。無理にすると出血や炎症を起こし、性交痛を悪化させる可能性があるからです。
陰部に痛みがあるときや疲れているときは、そのことをパートナーに伝え、セックスを断ることも必要です。性交痛の対策には愛撫の工夫や潤滑ゼリーの使用などがありますが、これらもパートナーの理解が求められます。
性交痛は、肉体的な負担だけでなく精神的な負担も大きいです。放っておくとセックスレスに陥り、パートナーとの関係性に影響をおよぼす可能性もあるでしょう。
人には打ち明けづらいデリケートな問題ですが、可能であればパートナーに相談するのをおすすめします。
ヒリヒリとした性交痛はカウンセリングが有効
性交痛を自身で解決するのが難しい場合や、どうしたらよいか分からず不安な方には、専門の医療機関でカウンセリングを受けることをおすすめします。
医師のカウンセリングを受けることにより、症状や状況などから性交痛の原因が特定できるためです。
また、カウンセリングでは原因が分かるだけでなく、医師からあなたに合った治療方法が提示されるでしょう。
カウンセリングは、性交痛の早期改善にとても効果的です。
当院でもカウンセリングを受けられます。院長である女性医師が、カウンセリングから治療までを一貫して担当するため、安心して治療を受けられます。
まとめ
セックスの際にヒリヒリ痛むのは、膣の乾燥を中心に5つの原因が考えられます。
・うるおい不足による膣の乾燥
・性感染症や膣炎
・ラテックス（天然ゴム）アレルギー
・パートナーとの相性
・陰部の洗いすぎ
そして、その改善方法は3つあります。
・潤滑ゼリーを使用する
・ホルモン補充療法を受ける
・レーザー治療を受ける
当院では、経験豊富な女性医師がカウンセリングから治療までを一貫して担当しています。
経験と知識、技術が必要なレーザー治療では、院長自らが丁寧に施術します。
最上位モデルのレーザー機器で多様な症状にあわせた対応可能なレーザー治療を受けられるのが当院の特徴です。
そのほかにも性交痛を改善させるためのアドバイスも可能です。性交痛で悩んでいる方は当院までお気軽にご相談ください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学（現佐賀大学）医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会