セックスの時に出血してしまう方や、痛くて入らず出血してしまう、そういうお悩みを抱えている女性はかなり多いです。 では、出血にはどういった原因が考えられるでしょうか? このページではセックス中の出血、そして不正出血の原因について解説していきます。
目次
セックス時の出血の原因
ではセックスの時の出血原因は何でしょうか?主に5つに分けられます。
出血の原因1:膣にキズがついた
原因1つ目は、膣が傷ついてしまうことです。
膣の中の自浄作用がストレスやホルモンバランスの低下で下がっていくと、子宮の入り口の菌が増殖して出血しやすくなってしまいます。 また、激しい性行為や前戯不足での挿入でも膣は摩擦で傷ついてしまうことがあり、セックス中の出血、セックス後にも出血する可能性があります。
セックスの後にトイレに行って血が出ていた……という場合も。 膣の炎症(かゆみ、おりものの異常、出血)があればすぐに病院を受診しましょう。
出血の原因2:処女膜強靭症
原因2つ目は、処女膜強靭症です。
この症状は、痛くて挿入が難しい、指を入れるのもつらく、無理をすると出血する……この処女膜強靭症はそんな方が当てはまる症状かもしれません。 まず処女膜とは、膣の入り口にはった膜のことです。
膜と言っても小さな穴が多数ある状態です。 処女膜は人によって様々な形をしており、処女膜が一部にしかない人や、もともと薄い人、分厚い人など個人差があります。 よく、初めてのセックスで処女膜が破れると言われていますが、全く破れず血が出ない人もいます。
処女膜強靭症は、処女膜が生まれつき硬く、分厚く柔らかく伸びることのできない処女膜がはっている状態のことを言います。 この状態だと指を入れるのも痛く、痛くて入らないということが起きてしまいます。
日常生活での自覚症状は無く、セックスをした時に初めて気が付くといったことが多く、10代や20代などの若い世代に多く見られます。 無理に挿入しようとすると多量の出血をしてしまうので、無理に挿入するのは絶対にやめましょう。
挿入ができたとしても痛みが続き、出血も続いてしまうということになりかねません。
出血の原因3:萎縮性膣炎
原因3つ目は、萎縮性膣炎です。
この症状は閉経後の方によく起こる症状です。 挿入時に膣にヒリヒリとした痛みがあったり、出血をしたり、日常的にデリケートゾーンのかゆみを感じる方は萎縮性膣炎の可能性があります。
この症状は女性ホルモン「エストロゲン」が減っていくことによって、「常在菌」という膣を守っていた菌が減少することで引き起こされます。 これまで常在菌が病気の菌などを退治してくれていたのですが、これがなくなると病原菌が繁殖しやすい状態になります。
そのため、かゆみや膣の乾燥、傷つきやすい状態を引き起こしてしまうのです。 また、デリケートゾーンを何度もこすって洗ったり、ビデやウォシュレットで過剰に洗いすぎたりしてもかえって菌が増えてしまうことがありますので注意が必要です。
出血の原因4:子宮膣部びらん
原因4つ目は、子宮膣部びらんという状態です。
「びらん」とはただれているという意味です。 子宮膣部びらんは子宮の入り口が突き出て膣部が赤く見える状態のことを指します。
子宮の入り口部分の内側を覆っている粘膜が外に向かって広がってできたもので、生理中にもみられます。 生理的なもので病気ではありませんが、びらんの粘膜は本来薄い膜で覆われているだけですので、子宮膣びらんになると薄い膜が摩擦で破れセックス中にキズが付き、出血が起こることもあります。
膣洗浄で一時的におさまりますが、再発することが多いです。 レーザー手術でびらんを取り除く治療方法がありますので、気になる方は専門クリニックに相談してみましょう。
出血の原因5:子宮頸がん
原因5つ目は、子宮頸がんです。
滅多にありませんが、子宮頸がんの可能性もあります。
子宮頸がんとはヒトパプローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することで起こる悪性の腫瘍のことを指します。 これは、セックスを行っている女性全員にかかる可能性がある病気で、症状が進むにつれて、性交痛やセックス時に出血が見られる場合があります。
子宮頸がんは月経がある若年層に多く見られる病気です。 ホルモンバランスの乱れと非常に見分けにくく、病院に行っても発見されないこともあります。定期的ながん検査を受けるのが良いでしょう。
女性のせいだけではない……パートナーの問題も
セックス中の出血は女性だけでなくパートナーにも原因がある場合があります。 それは、前戯不足です。
女性は性的興奮を高めると自然に「濡れる」のですが、これが不足しているまま挿入しようとすれば、女性の膣を傷つけてしまい、出血につながってしまうこともあります。 しっかりパートナーの様子を確認する、コミュニケーションをとることで互いに気持ちよくセックスができることが望ましいです。
性交痛の治療法(出血しないために)
先ほどは性交痛、セックス時の出血原因を解説しましたが、治療方法はあるのでしょうか。 今度は治療方法についてご紹介していきたいと思います。
まずは検査へ
まず症状を感じたら、婦人科に行って相談してみましょう。
診察は細胞を取ったり、エコー検査をしたりすることがあります。 重大な疾患が隠れている可能性もなくはないのでしっかり検査を受けることをおすすめします。
しかし、検査ではわからない症状や婦人科では治療ができないこともあります。 その際は、女性器専門のクリニックに行ってみると良いでしょう。
女性のデリケートなお悩みについて治療を行ってくれるクリニックは増えており、性交痛や出血を伴う痛みにも対応が可能です。 婦人科では見つけられなかった原因がわかったり、治療ができますので「婦人科に行っても原因がイマイチよくわからなかった」と感じている方におすすめです。
ここでは女性器専門クリニックにてできる治療法についてご紹介します。
処女膜切開手術
処女膜切開手術は、文字通り処女膜を切開する手術です。 とはいっても15分程度で終わるので日帰りでの手術が可能です。
突っ張っている処女膜靱帯を切って縫合することで、症状を改善することができます。 切開の方法は処女膜の一部を切開するやり方と、リング状に切開する方法の二つがあり、症状によって切開方法が異なります。 局部麻酔や、痛みが苦手な方には笑気麻酔を行っているクリニックもあります。
手術時間 | 15分から30分ほど。日帰りでの治療が可能です。 |
入浴 | シャワーでの入浴は当日から可能で、3日経過するとお風呂での入浴も可能です。 |
術後の痛み | 痛みや腫れによる違和感が1週間程度続く場合があります。 |
通院期間 | 抜糸のため1週間後、再度来院していただくだけで長期の通院などは不要です。 |
萎縮性膣炎のレーザー治療
レーザーを使って治療することもあります。 インティマレーザーというのが主流となっており、膣内をレーザーで刺激することによって女性ホルモン「エストロゲン」を活発にさせて、膣内のうるおいを取り戻すことができます。 「膣の若返り」とよばれているように、エストロゲンが増えることで膣の乾燥や痛みがなくなります。
また、「3Dタイトニングレーザー」という最新機器を使うことでさらに深くまでレーザーを照射することができるので、インティマレーザーよりも効果が期待できます。 照射は1回で効果が出る人もいれば2~3回の照射で効果があらわれる人もいます。
ダウンタイム | 3日程度 |
治療時間 | 10分~15分ほど。日帰りが可能です。 |
施術中の痛み | ほとんどなし |
シャワー・入浴 | 施術当日はシャワー、入浴は翌日から |
性交 | 施術後1週間から可 |
自宅でできるケアはある?
クリニックにはいかず、自宅でケアする方法はあるのでしょうか?
セルフケアは2つの方法があり、1つは潤滑ゼリーを使う方法です。 潤滑ゼリーを使うことでスムーズに挿入を行うことができるだけでなく、痛みや出血も抑えることができます。
当院ではリューブゼリーという潤滑ゼリーをおすすめしています。 セックス前に塗ることで自然な濡れ感を演出してくれます。
しかしこれは根本的な解決には至らず、毎回使わなければならない点はがデメリットです。
続いて2つ目の方法はダイレーターと呼ばれる医療器具を使うことです。 ダイレーターは症状に合わせて4、5本の大きさの違う棒状の器具です。
細いものから膣内に入れる練習をしていきます。これは医師の指導の下行うものですが、自宅で慣らすことができるので、処女膜強靭症の方はこの方法で慣らしていくのも1つの方法です。 ただし効果があらわれるのに時間がかかるという点がデメリットになってしまいます。また、合わない方もいますので医師の判断を仰ぎ、自分に合った方法を探しましょう。
デリケートなお悩みだからといって一人で抱え込んではいませんか?クリニックでカウンセリングだけでも受けに行き、自身の症状を正しく把握するのが一番大切です。 この記事はあくまで参考程度に、まずはクリニックに行ってみましょう。
当院での治療方針
「自分に合った治療方法があるのか心配」「担当医が変わってしまうのが不安」、そんなお悩みを解決いたします。 当院ではヒアリングから手術、アフターケアまですべて院長が担当します。担当医が変わるなどの心配はありません。
また、丁寧なヒアリングで、お一人お一人に合った治療方法をご提示します。是非カウンセリングだけでもご利用ください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会