「20代で初めてセックスをしようとした時、痛すぎてできなかった」
「20代で性交痛を経験したけど、自分の膣が狭いのが原因ではないだろうか」
このような経験はありませんでしょうか。性交痛は相談しにくいデリケートな問題であるため我慢をする方が多いですが、早めの治療をおすすめしています。
本記事では、「膣の狭さ」が関連して引き起こされる性交痛の症状や原因、早めに治療すべき理由、改善方法を性交痛治療に詳しい女性医師が解説します。
目次
膣が狭くて性交痛を引き起こす原因2つ
20代で性交痛を引き起こす原因は様々あります。
その中でも、膣の狭さが関連した性交痛を引き起こす原因は主に2種類あります。
処女膜強靭症
処女膜は、とても薄い粘膜が膣の入口付近にリング状に集まってできているヒダのことです。処女膜の粘膜の硬さには個人差があり、初めて性交した際に痛みや出血を伴います。
そして処女膜強靭症は、処女膜が通常より厚くリング状に硬くなっている状態のことを指します。
処女膜強靭症の一般的な症状は、無理な挿入による多量の出血や強い痛みです。原因は生まれつきであると言われていますが、稀に後天的に処女膜が硬くなるケースがあります。
処女膜強靭症は、自分自身では判断するのが難しいため、専門の医師による問診や、膣鏡を用いた内診で診断されます。
心因的な問題
膣が狭いと感じ痛みを伴う原因は、身体だけの問題ではなく、精神面も影響します。
単純に性的な興奮が低下している状態や性的な行為に対して嫌悪感を抱いている場合には無意識に身体が反応し、膣が痙攣を起こすことがあります。
この状態をワギニスムスと呼びます。膣がけいれんするのは、膣や肛門の周辺に存在する「骨盤底筋」という筋肉が過剰に収縮するのが原因です。骨盤底筋が過剰に収縮して膣口が締まることで、膣が狭いと感じられます。
性にまつわる過去のトラウマや、生活歴などが影響すると言われますが、原因不明なものがあるのも特徴です。
心因的な要素が原因で性交痛が引き起こされている場合、他人に相談しても理解されにくいため辛い思いをする方もいます。不安な方は、専門の医療機関でカウンセリングを受けると心が楽になります。
20代の性交痛を早く治療するべき理由
性交痛は人に相談しづらいデリケートな問題であるため、治療があと延ばしにされがちです。
しかし性交痛を放置しているとこれからの性生活や、婦人系の病気に発展する可能性があるため早めの治療が必要です。
性行為への恐怖心が強くなる
性交痛があるにもかかわらず放置し続けると、性行為への恐怖心が増大します。
性交痛に限らず私たち人間にとって痛みは苦痛です。性行為の際に毎回痛みを伴うと、「性行為=苦痛をがまんする時間」に感じるため、知らず知らずのうちに性行為への恐怖心が強くなります。
恐怖心が強くなると無意識に身体が反応し膣が痙攣する(膣が狭くなる)、性交痛が増す、性行為への恐怖心が強くなる。
このような悪循環が生まれるため、早めの改善または治療が必要です。
20代と若い年齢から性行為への恐怖心があると、これからの性生活にも大きな影響を及ぼす可能性があるため、専門の医療機関へ相談することをおすすめします。
治療をしないと治らない可能性がある
性交痛の原因が処女膜強靭症の場合、治療をしなければ性交痛が改善されることはありません。
処女膜強靭症は、処女膜が通常より硬く厚いため性行為で破れる可能性は極めて低いからです。性行為をするたびに強い性交痛を伴うためセックスがうまくいかず、パートナーとの関係性にも影響が出る恐れもあります。
自身が処女膜強靭症かどうか分からない場合には産婦人科や専門のクリニックに相談してみましょう。
またこちらの記事でも処女膜強靭症について詳しく解説してますので、ご確認ください。
▽処女膜強靭症について詳しく確認
細菌性膣炎を発症する可能性がある
細菌性膣炎は、性行為などが原因で膣内の雑菌が増殖することで発症します。性交痛をがまんして行為を続けていると、膣内の粘膜が傷つけられ、そこから雑菌が侵入し炎症を起こします。
細菌性膣炎の主な症状は、外陰部のかゆみや痛み、おりものの増加です。細菌性膣炎は抗菌剤を服用すると数日で症状が和らぎますが再発も少なくありません。
細菌性膣炎を予防する、早期治療をする点においても性交痛は早めに治療するようにしましょう。
「膣が狭くて痛い」を改善する方法4選
「膣の狭さ」が原因で引き起こされる性交痛は、他の性交痛と同様に正しい方法を用いることで改善できます。
改善方法は以下の4種類があります。
・即効性のある方法
・心の緊張をほぐして改善する方法
・挿入できるよう日頃からトレーニングする方法
・根本的に治療する方法
即効性のある改善方法
即効性のある改善方法として、うるおいをサポートする潤滑ゼリーの使用をおすすめしています。
潤滑ゼリーの特徴は、
1.膣の狭さやうるおい不足をサポートしてくれる
2.ネットで購入できるため誰でも手軽にはじめらる
3.安価であるため気軽に試すことができる
などです。処女膜強靭症に対しては改善効果が期待できないため万能とはいえませんが、
膣の狭さやうるおい不足が原因で起こる性交痛に対しては即効性があるため一度、試してみるのもいいかもしれません。
当院でも、日本家族計画協会が日本で初めて開発した「リューブゼリー」という商品を取り扱っているためお気軽にお問い合わせください。
緊張をほぐし、筋肉を緩和させる方法
精神的な問題から筋肉が強張り膣が狭くなっている場合には、緊張をほぐして筋肉の過度な収縮を和らげる必要があります。
ただし、緊張をほぐすには一人では難しいためパートナーに協力を求める必要があるでしょう。
たとえば性行為に対して嫌悪感や恐怖心がある場合には、前戯に時間をかけて少しずつ緊張をほぐすようにしましょう。
一般的には前戯は5分~15分行う方が多いようです。
目安としてこの時間よりも長めにしてもらうように、パートナーと相談するのも良いでしょう。
引用:ナイトプロテインPLUS
前戯の時間を長くすることで筋肉が必要以上に収縮するのを防げるため、性交痛の緩和が期待できます。
挿入できるよう日頃からトレーニングする方法
引用:日本性科学会
精神的な問題から膣周囲の筋肉が緊張し、膣の入口が狭くなってしまっている場合、改善する方法として膣ダイレーターを用いた挿入練習があります。
ダイレーターとは、シリコンからできた棒状のもので、大小さまざまなサイズのものがセットになっています。
具体的な使用方法としては、ダイレーターに潤渇ゼリーをつけ、ゆっくりと中にすべりこませたら、約10分程そのまま中に入れておきます。
小さいものから入れていき、段々とサイズを大きくしていくことで男性器の挿入への恐怖心をなくしていくことができます。
処女膜強靭症の治療方法
問診や内診により処女膜強靭症と診断された場合、根本的に治療可能な「処女膜切開手術」をおすすめしています。
処女膜切開手術は、痛みの原因となる膜の硬い部分を切除する手術です。硬く突っ張っている部分を切開することで性交痛が大幅に緩和されます。
手術は、事前にカウンセリングを入念に行い不安を取り除いた上で実施されます。また、局所麻酔を使って、痛みの有無を確認しながら進めるため痛みの心配はありません。
当院の治療は一貫して、女性院長が引き受けます。性交痛に対する専門的な知識や経験も豊富なため安心して治療が受けられます。
初めてのセックスで緊張しないために
初めての行為は誰でも緊張するものです。
「痛くないかな、血は出ないかな」
「相手に嫌な思いをさせないかな」
「恥ずかしい思いをしたくない」
このような悩みはありませんでしょうか。初めてのセックスで緊張を和らげるために以下を参考にしてみてください。
はじめてであることをパートナーに伝えておく
あらかじめ、自分が処女であることをパートナーに伝えておきましょう。
処女であることは決して恥ずかしいことではありません。あらかじめ処女であることを伝えておくことで、パートナーも丁寧に気を遣いながら進めてくれるでしょう。
そのため初めてでも自分のペースを乱されず、落ち着いて行為に集中できます。
慣れた場所で行う
「恥ずかしい」や「緊張する」を和らげるために自分が慣れた親しみのある場所で行うようにしましょう。
初めてのセックスで緊張している上に、ホテルなどの知らない場所で行うと緊張が増してしまう可能性があります。自宅やパートナーの家など親しみのある場所で行うとリラックスして行為にのぞめます。
経験のある友人に聞いてみる
初めてのセックスや、経験が極端に少ない場合は手順や方法が分からないものです。周りに経験のある友人がいれば、聞いてみるのも良いかもしれません。
友人から聞く内容が正解とは限りませんが、状況などを聞いておくことで安心に繋がり、緊張を抑えてくれるでしょう。
まとめ
20代の人で、膣の狭さが原因で性交痛が引き起こされるのは、処女膜強靭症や心因的な問題により骨盤底筋が過度に収縮することが考えられます。
性交痛を放置していても治らない可能性があり、場合によっては痛みが強くなります。そのため、早めに専門の医療機関に相談し適切な治療を受けるようにしましょう。
当院の治療方針
「自分に合った治療方法があるのか心配」「担当医が変わってしまうのが不安」、そんなお悩みを解決いたします。
当院ではヒアリングから手術、アフターケアまですべて院長が担当します。
担当医が変わるなどの心配はありません。また、丁寧なヒアリングで、お一人お一人に合った治療方法をご提示します。
是非みどり美容クリニック・広尾にお越しください。
満行 みどり
略歴
国立佐賀医科大学(現佐賀大学)医学部卒業。その後九州大学医学部付属病院第二外科、佐賀県立病院などで外科、救命救急、麻酔科全般を習得。
聖心美容外科東京院、大阪院、福岡院にて勤務後、横浜院院長、全国診療医長を歴任。
婦人科形成、脂肪吸引を始めとする多くの症例に携わる。
レーザーによる女性器の若返り治療、膣の引き締め、外陰部形成のライセンスをアメリカのビバリーヒルズにて日本人の女医として初めて習得。東京の広尾に、日本人初となる女医による女性器形成専門クリニック、みどり美容クリニック・広尾を開院する。また「女性器形成」「女性性機能障害」のスペシャリストとして、様々な論文執筆、講演会、ドクターへの指導を行う。
資格
所属学会