この記事は、以下のようなお悩みを抱える方におすすめです。

  • 男性器を挿入しようとすると入らなかった
  • 自分の膣が狭いのか、パートナーのサイズが大きいのか、入らない原因がわからない
  • 十分に濡れているはずなのに入らない
  • 前戯は十分なのに濡れないから入らない


挿入しようとしたら痛くて入らなかった、といった経験がある女性は少なくありません。ただし、入らない原因はいくつもあり、それに合わせた適切な治療が必要です。デリケートな話題なので、周りに相談しにくいかと思いますが、パートナーと良好な関係を続けるためにもクリニックへ相談することをおすすめします。

数ある性交痛の悩みの中で、この記事では特に「膣の入り口に入らない」というお悩みについて詳しく解説します。パートナーと良好な関係を築くためにも、まずは性交痛に関する知識を深めましょう。

性交痛とは?

性交痛とは、性行為中またはその後に感じる痛みを指します。この痛みは、ヒリヒリとした軽い不快感からズキズキする強い痛みまでさまざまです。主な原因は、膣の乾燥や感染症、ホルモンバランスの変化、ストレス、不安、過去の性的トラウマなど多岐にわたります。要因は一つとは限らず、これらの要因が組み合わさることで痛みが生じることもあるため、判断が困難です。

入り口に入らない原因

性交痛を感じるシーンは主に3パターンで分けられます。

  • 前戯のときに指を入れただけでも痛かった
  • 前戯を終えて挿入しようとしたら痛かった
  • 挿入はできたけど、行為中に痛みを感じた


それぞれのパターンで考えられる原因は異なりますが、この記事では、1つ目の「指が入らない」パターンと2つ目の「男性器が入らないパターン」を解説します。

指が入らない原因

挿入する前の前戯の段階で、指を入れるのも痛かった場合は2種類の原因が考えられます。

生まれつき入り口が狭い

膣口そのものが生まれつき小さく、男性器や指が入れられない体質のケースがあります。ただし、女性側の膣口が狭いわけではなく、男性器の方が大きいこともあります。

また、先天的に処女膜が厚くて破れにくい「処女膜強靭症(しょじょまくきょうじんしょう)」という症状の可能性もありますので、後述で詳しく解説します。

「自分は人より生まれつき入り口が小さい」と思い悩む前に、実際にクリニックで検診してもらうことが重要です。

産後にセックスしたら入らなかった

出産をすると、産道である膣はダメージを受けながら緩んでいくイメージがありますが、逆に狭くなるケースがあります。

出産の際に膣口が裂けてしまったり、会陰切開といって入り口を広げる切開を加えた場合には膣口に傷が出来た場合は、担当医によって縫合されます。この縫合で、膣口が逆に狭くなりすぎて性交が困難になる例もあります。

男性器が入らないときは【処女膜強靭症】かも?

前戯で指は入ったけど、男性器を挿入するときに引っかかりを感じた場合は「処女膜強靭症」の可能性が考えられます。

「処女膜」とは膣口の近くにあるヒダ状の膜のことで、 硬さ、厚みなど個人差があります。この処女膜は、激しい運動でも破れてしまうケースが多々あると言われるほど、本来は柔らかいものです。しかし、生まれつき処女膜が厚く固い人もおり、性交の時に痛くて入らない、といったケースがあります。その症状が、処女膜強靭症と呼ばれるものです。

処女膜強靭症の場合は、男性器が入らないことに加えて以下の症状が見られます。

  • 性交のたびに出血してしまう
  • 十分濡れているはずなのに挿入できない
  • 途中まで入っているが奥まで入らない
  • 膣が閉じている感覚がある
  • パートナーのサイズが変わると痛みが続く

入らないときの4つの改善方法

膣に入らない症状を改善するための4つの方法を解説します。

リューブゼリー

リューブゼリーという潤滑ゼリーを使って男性器を入れやすくする方法があります。全身用のローションとは違い、デリケートゾーン専用に生成された潤滑ゼリーなので安心して使用することができます。ただし、リューブゼリーを使ったからといって無理やり挿入しようとすると、性交痛につながったり、出血する恐れがあるので過信せずに慎重に使用しましょう。

ダイレーター

ダイレーターとは、膣の緊張を緩和し、拡張するための医療器具です。主に性交痛や膣口拡張の治療に使用されます。5本程度の異なるサイズの円筒状の器具が1セットになっています。徐々に大きなサイズに進めることで膣を広げます。

最大のメリットは、手術などの外科治療が必要なく、自宅でリラックスしながら使用できることです。一方で、効果が出るまでに時間がかかることがデメリットなので、根本的に即効性のある治療を求める方には向いていません。

処女膜切開手術

処女膜強靭症と診断された場合は、処女膜切開手術で治療します。処女膜切開手術とは、処女膜を切開し、縫合する手術です。突っ張っている処女膜靭帯を解除することで、挿入時の痛みを改善させます。 局部麻酔だけでは麻酔の際の痛みで筋肉が緊張してしまうため、静脈麻酔によりリラックスした状態で痛みを全く感じることなく治療が可能です。

まずはクリニックに相談しましょう。

指や男性器が入らなかったからと言って、パートナーと快適な性生活を諦める必要はありません。当院では、同じお悩みを抱えた患者様に寄り添って治療してきた実績があります。ヒアリングから施術、アフターケアまで、女性の院長が担当いたしますのでご安心下さい。お気軽に